本を読みたいと思っているのに、気づけば何日も開いていない。買ったままの本が棚に並び、「時間ができたら読もう」と思いながら月日が過ぎてしまうこともあります。
大人になると、仕事や家事、外出など毎日の予定があり、まとまった読書時間を作るのが難しい日もあります。また、自由な時間ができても、スマートフォンや動画を見ているうちに時間が過ぎてしまうこともあるでしょう。
読書を楽しむために、一日に何十分も読む必要はありません。数ページだけ読む、寝る前に10分だけ本を開く、休日の朝にコーヒーを飲みながら読むなど、小さな時間からでも楽しめます。
大切なのは、何冊読んだかではなく、本を読む時間そのものを自分のペースで楽しめることです。
ここでは、読書を新しい負担にせず、暮らしの中で自然に本を手に取りやすくするための基本をまとめます。
読書はまとまった時間がなくても楽しめる
本を読むというと、静かな場所で30分や1時間ほど集中して読むイメージを持つことがあります。
しかし、毎日の暮らしの中でまとまった自由時間を確保しようとすると、なかなか始められません。
5分や10分でも、本を開けば立派な読書時間です。
一章読み切らなくても、数ページで閉じても構いません。続きは翌日読めばよいと考えると、本を開くためのハードルが下がります。
長時間読むことを目指すより、「短い時間でも手に取る」ことを大切にすると続けやすくなります。
今読みたい本を一冊だけ手の届くところに置く
本棚にたくさんの本があっても、普段目に入らないと読むきっかけが減ってしまいます。
今読んでいる本や、これから読みたい本を一冊だけ、手に取りやすいところへ置いてみましょう。
ソファの近くに置く
リビングで過ごすことが多いなら、サイドテーブルや小さなかごなどへ本を置いておくと、休憩中にも手を伸ばしやすくなります。
スマートフォンを開く代わりに数ページ読むなど、普段の休憩時間をそのまま読書に使えます。
ベッドの近くに置く
寝る前に読みたい場合は、ベッドサイドへ一冊置いておく方法があります。
本棚まで取りに行く必要がなく、横になる前に自然と手に取りやすくなります。
ただし、寝る直前に長く読み続ける必要はありません。眠くなったら途中でも閉じて構いません。
読みたい本を何冊も並べすぎない
読みたい本が増えると、テーブルやベッドサイドに何冊も積み重ねたくなることがあります。
けれど、選択肢が多すぎると、どれを読もうか迷って結局何も開かないこともあります。
今読む本を一冊、次に読みたい本を一冊程度にしておくと選びやすくなります。
ほかの本は本棚へ戻し、読み終えたり気分が変わったりしたときに入れ替えましょう。
一日に読むページ数を決めなくてもよい
読書を習慣にしようとして、「一日30ページ読む」「毎月何冊読む」と決める方法もあります。
目標があるほうが楽しめる方には向いていますが、達成できない日が続くと読書そのものが負担になることもあります。
忙しい日は2ページ、余裕のある日は30ページというように、その日に合わせて変えて構いません。
読む量よりも、本を開いた時間を楽しめたかを大切にしましょう。
読む時間を普段の行動と組み合わせる
「時間ができたら読む」と考えていると、なかなかその時間が訪れないことがあります。
そこで、普段必ず行っていることと読書を組み合わせる方法があります。
朝の飲み物と一緒に読む
朝にコーヒーやお茶を飲む習慣があるなら、その時間に数ページだけ本を開いてみましょう。
朝食後の10分など、毎日の流れの中に入れると、読書だけのために時間を作らなくても済みます。
入浴後に少し読む
夜の入浴後、すぐにテレビやスマートフォンを見る代わりに、本を数ページ読む方法もあります。
照明を少し落とし、飲み物を用意してから読むと、夜の一人時間としても楽しめます。
休日の午前中に読む
平日に時間が取れない場合は、休日だけ読む習慣でも構いません。
午前中に飲み物を用意し、30分だけ読むなど、自分が落ち着ける時間を選びましょう。
読書専用の場所を大げさに作らなくてもよい
読書を楽しむために、専用の椅子や大きな本棚を用意する必要はありません。
普段座っているソファ、ダイニングチェア、ベッドなど、自分が落ち着いて座れる場所があれば十分です。
本を置く小さな場所と、飲み物を置けるスペースがあれば、それだけでも読書時間を作れます。
新しい家具を増やすより、今ある場所の中から「ここなら読みやすい」と感じるところを選びましょう。
飲み物を用意して読書のきっかけを作る
本を開く前に、コーヒー、紅茶、日本茶など、好きな飲み物を用意するのもよい方法です。
「飲み物を用意したら本を読む」という流れを作ると、気持ちを切り替えやすくなります。
毎回特別なものを用意する必要はありません。普段飲んでいるものをお気に入りのカップへ入れるだけでも十分です。
飲み物をゆっくり楽しみながら数ページ読むだけなら、短い時間でも取り入れやすくなります。
スマートフォンを少し離して読む
本を読んでいる途中で通知が入ると、ついスマートフォンを確認してしまうことがあります。
少し集中して読みたいときは、本を読む間だけスマートフォンをテーブルの反対側や別の場所へ置いてみましょう。
長時間離れる必要はありません。10分だけ本を読むと決め、その間だけ画面を見ないという方法でも構いません。
スマートフォンを使う時間をなくすのではなく、本に向かう短い時間だけ分けるくらいが続けやすくなります。
途中で読むのをやめても構わない
読み始めた本は最後まで読まなければならないと思うことがあります。
けれど、今の自分には合わないと感じた本を無理に読み続ける必要はありません。
少し休んで別の本へ移る、数か月後にもう一度読むなど、自分の気分に合わせて選びましょう。
読書を続けることより、本を読む時間が苦痛にならないことのほうが大切です。
難しい本ばかり選ばなくてもよい
大人の読書というと、教養や勉強につながる本を選びたくなることがあります。
もちろん興味があれば楽しめますが、毎回難しい本を選ぶ必要はありません。
小説、エッセイ、旅行本、写真集、料理本など、自分が気になるものを自由に選びましょう。
「役に立つかどうか」より、「今日はこれを読みたい」と思えることを基準にすると、本を手に取りやすくなります。
短い文章から読む方法もある
長い小説や専門的な本を読む気分になれない日は、短編やエッセイなどから選ぶ方法があります。
一つの話が短ければ、わずかな空き時間でも区切りよく読めます。
雑誌の中から気になるページだけ読む、写真集を眺めるといった楽しみ方でも構いません。
毎回最初から最後まで読むことだけが読書ではありません。
以前読んだ本をもう一度開く
新しい本ばかり買わなくても、家にある本を読み返す楽しみがあります。
以前好きだった小説、昔読んだエッセイなどは、時間がたってから読むと違うところが気になることもあります。
内容を覚えている本なら、途中から好きな部分だけ読むこともできます。
「新しい本を探さなければ」と考えず、今ある本棚を眺めてみるのも読書を始めるきっかけになります。
図書館を気軽に利用する
本を増やしたくない場合は、図書館を利用する方法があります。
気になった本を試しに借り、読んでみて自分に合うかを確かめられます。
棚を眺めていると、自分では探していなかった本に出会えることもあります。
散歩の途中に立ち寄るなど、一人のおでかけ先として利用するのもよいでしょう。
書店を歩く時間も読書の楽しみにする
本を読むだけでなく、書店で本を探す時間そのものを楽しむこともできます。
表紙やタイトルを見ながら棚を歩き、気になる本を手に取ってみましょう。
必ず買う必要はありません。
今どんなものを読みたいのか、自分の興味を知る時間として書店を歩くだけでも楽しめます。
電子書籍と紙の本は自分に合うほうを選ぶ
読書方法は紙の本だけではありません。スマートフォンやタブレットなどで電子書籍を読む方法もあります。
外出先で読みたいときや、本を持ち歩きたくないときには便利です。
一方、紙のページをめくる感覚や、本を目に見えるところへ置いておくほうが読みやすいと感じる方もいます。
どちらか一つに決めず、家では紙、外出先では電子書籍というように使い分けても構いません。
外出するときに一冊持っていく
病院や美容院の待ち時間、電車での移動など、外出中には短い空き時間ができることがあります。
小さめの本をバッグに入れておくと、その時間を読書に使えます。
数ページだけでも読み進められるため、家でまとまった時間を作れない方にも取り入れやすい方法です。
荷物を増やしたくない場合は電子書籍を使うなど、自分が持ち歩きやすい方法を選びましょう。
しおりを使ってすぐ続きを開けるようにする
読書を途中で終えるときは、次に開きやすいようしおりを挟んでおきましょう。
前回どこまで読んだか探す手間がなくなり、数分しか時間がない日にもすぐ読み始められます。
特別なしおりでなくても構いませんが、お気に入りのものを使うと本を開く小さな楽しみになります。
本を読む姿勢にも無理をしない
長く同じ姿勢で本を読んでいると、首や肩、腰などが疲れることがあります。
途中で姿勢を変える、少し立ち上がるなど、自分がラクに読めるように調整しましょう。
本を持ち続けるのが負担なら、クッションやテーブルを使って支える方法もあります。
長時間集中することより、心地よく続けられることを優先します。
読み終えた本を無理にすぐ手放さなくてもよい
本を読み終えると、すぐ整理しなければと思うことがあります。
また読みたい本や手元に置いておきたい本なら、そのまま残して構いません。
反対に、一度読んだら十分だと感じる本は、時間のあるときに本棚を見直す方法があります。
本の冊数を減らすことより、自分が読みたい本を見つけやすい本棚になっているかを考えましょう。
本を買う量と読むペースを無理に合わせなくてもよい
気になる本を見つけると、読む時間がなくても買いたくなることがあります。
積んである本を見るだけで楽しいという方もいるため、必ず一冊読み終えてから次を買う必要はありません。
ただし、読む予定の本が増えすぎて負担に感じるようなら、今読みたいものを優先し、新しい本を買う前に手元を確認する方法があります。
本を持つことも読むことも、自分が楽しめる範囲にしておきましょう。
読書記録は続けたい人だけでよい
読んだ本のタイトルや感想を記録すると、あとから振り返る楽しみがあります。
一方で、毎回感想を書かなければならないと思うと、読書後の作業が増えてしまいます。
記録したい日は本の名前だけ残す、心に残った一言だけメモするなど、簡単な方法でも十分です。
記録そのものが負担なら、何も残さなくても構いません。
毎日読めなくても読書習慣は続けられる
数日間本を開かなかったからといって、読書習慣がなくなったわけではありません。
忙しい週は読まず、余裕のある休日にまた開くという続け方もあります。
一度間が空いたからと最初からやり直す必要もありません。
読みたいと思った日に、しおりを挟んだところから再開すれば十分です。
一人時間の楽しみの一つとして読書を取り入れる
読書を毎日の課題として考えるのではなく、一人で過ごす選択肢の一つにしておくと気軽になります。
今日は散歩、今日は映画、今日は本というように、その日の気分で選びましょう。
雨の日に家で読む、カフェへ本を持っていくなど、ほかの楽しみと組み合わせることもできます。
読書だけにこだわらないことで、かえって本を手に取りたい日を大切にしやすくなります。
まとめ|大人の読書は短い時間から自分のペースで楽しむ
大人の読書時間を楽しむために、毎日まとまった時間を確保したり、何冊も読み切ったりする必要はありません。
今読みたい本を一冊だけ手の届くところへ置き、朝の飲み物と一緒に数ページ読む、寝る前に10分だけ開くなど、普段の暮らしへ小さく組み込むところから始められます。
また、途中で読むのを休んだり、別の本へ変えたりしても構いません。小説だけでなく、エッセイ、写真集、旅行本など、その日に読みたいものを自由に選びましょう。
図書館や書店へ出かけることも、読書の楽しみの一つです。家では紙の本、外出先では電子書籍など、自分に合う方法を組み合わせてもよいでしょう。
毎日読めない日があっても、読みたいと思ったときにまた本を開けば十分です。
読む冊数や速さを気にするより、好きな本を手に取り、自分だけの静かな時間を楽しむことを大切にしながら、無理なく続けられる読書習慣を作っていきましょう。
